ニュース・イベント
令和8年度北海道大学新任技術職員研修を開催
令和7年4月2日から令和8年4月1日までの間に本学に採用された技術職員を対象とした「令和8年度北海道大学新任技術職員研修」が、令和8年4月16日、17日の2日間にわたり開催されました。
本研修は、技術職員として必要な基礎的知識を習得し、かつ、大学内で多種多様な業務を行っている技術職員の職場を訪問し、その業務内容や業務の一部を体験することにより、他部局の業務について知見を深め、本学採用直後から部局を超えた人間関係をつくることを目的として行われています。
1日目は、工学部GXスタジオにおいて、永井謙芝 技術副統括から「技術職員組織について」と題しての講義、続いて各技術部門長から技術部門についての紹介があり、工学研究院において職場見学・実習を実施しました。


左から、熊木康裕 理学・農学系技術部門長、大久保賢二 工学系技術部門長、栗山武志 生命科学系技術部門長、永井謙芝 北キャンパス・情報基盤系技術部門長、持田大 フィールド系技術部門長
職場見学では、はじめに大塚尚広 技術専門職員より、VR技術や3Dモデルに関する講義を受け、その後VRシアターを見学しました。VRシアターでは、鉱山開発における教育等で活用されている360度映像や、映像からフォトリアリスティックな3次元空間を再構成する「3Dガウシアン・スプラッティング」技術によって生成されたトンネルや遺跡の3Dモデルを体験しました。資源工学に限らず、多様な分野への応用可能性についても紹介され、参加者は高精細な3D空間への没入体験を通して、新しいシミュレーション技術を体感しました。

電子顕微鏡実習では、最初に大久保賢二 技術専門員、横平綾子 技術専門職員によるレクチャーの後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた実技実習を行いました。実習では、事前に準備した髪の毛、犬の毛、メモ帳、ハエなどを観察しました。
その後、施設見学として、学内でも屈指の規模を誇る超高圧電子顕微鏡室を訪問しました。建物を貫く巨大な装置を前にした後は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて金属ナノ粒子などの観察を行いました。ナノテクノロジーを支える高度な解析技術の重要性を学ぶとともに、その操作の難しさや奥深さを実感する機会となりました。

ガラス工作実習では、石倉研太郎 技術職員の指導のもと、ガラス加工を体験し、マドラーを製作しました。鮮やかな手さばきでガラスを自在に加工する様子に目を見張りながら、加熱されたガラスの繊細な状態や加工の基礎について学びました。自らの手で形を作り上げる楽しさも実感できる、充実した実習となりました。

2日目は、低温科学研究所、情報基盤センター、医学研究院、北方生物圏フィールド科学センターを訪問しました。
低温科学研究所では、佐藤陽亮 技術専門職員の案内のもと、極低温室と機械工作室を見学しました。極低温室では、斎藤健 研究支援推進員の説明により、マイナス50度の極低温環境を体験したほか、南極から採取された氷も見学しました。また、小野数也 技術専門職員からは、南極での調査の様子について紹介があり、参加者は厳しい自然環境のなかで行われる研究の最前線に触れました。
機械工作室では、斎藤史明 技術専門職員より、極地環境に対応する研究機器の開発について説明を受けました。研究者の要望を形にする高度な加工技術や、設計図には現れない現場ならではのノウハウに触れ、最先端研究を支えるものづくりの重要性を学びました。

情報基盤センターでは、更科高広 技術専門職員よりスーパーコンピュータシステムの概要説明を受けた後、実機を見学しました。巨大な設備が生み出す迫力を間近で体感するとともに、普段立ち入ることのできない電気設備エリアを巡るバックヤードツアーも行われました。受電設備や複雑な電気系統の裏側を学び、研究基盤を支えるインフラの重要性を実感しました。

医学研究院では、清水秀美 技術専門員、山形享子 技術専門職員から、解剖実習について説明を受けた後、解剖実習室に移動して実習を見学しました。医学教育の基盤を支える現場に触れ、参加者は、解剖実習が医学・医療の発展のためにご献体くださった方々の尊い志に支えられていることを学び、あらためて深い敬意を抱いていました。
北方生物圏フィールド科学センター内のアグリフードセンターでは、増茂弘規 技術専門職員より、学生実習における食肉や乳製品加工について説明を受け、加工施設を見学しました。入室時のエアシャワーや整然とした加工設備を通して、食品を扱う現場における徹底した衛生管理の重要性を学びました。

最後に、スマート農業研究教育センターを訪問しました。北方生物圏フィールド科学センターの佐藤浩幸 特命職から、スマート農業の社会実装に向けた取組みについての説明を受けたほか、立邊竜男 技術専門職員から、開発中の試作機や大型農業機械について解説がありました。試行錯誤を重ねながら研究開発を進める現場の姿に、参加者は深い関心を寄せていました。
2日間にわたる研修では、学内の多様な分野で活躍する技術職員の仕事に触れるとともに、参加者同士の交流も深まりました。多様な専門分野に支えられた教育・研究の現場を知ることで、技術職員としての視野を広げる貴重な機会となりました。

■研修期間
令和8年4月16日(木)~4月17日(金)
■主催
北海道大学技術支援統括本部事業統括室研修実施専門部会
■受講対象者
令和7年4月2日から令和8年4月1日までに本学に採用となった技術職員6名及び令和7年度新任技術職員研修未受講者1名